くすりの知識10ヵ条

くすりの知識10ヵ条って?

2014年11月に施行された医薬品医療機器等法(旧薬事法)では、国民の役割として、薬を正しく理解し使用することが責務とされています。しかし、薬についての最低限の知識と理解がなければ、その責務を果たすことは難しいのではないでしょうか。

そこで協議会は、最低限知っておくべき内容を「くすりの知識10ヵ条」としてまとめました。一人ひとりが最低限の知識を持ち、薬の正しい使い方を身に付けることが、協議会のめざす未来です。

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くすりの知識10ヵ条の狙い

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よくあるご質問

くすりの知識10ヵ条の狙い

Q なぜつくったのですか?
A 「薬を正しく理解し使用するために最低限知っておくべきこと」を示すためです

 これまで協議会は、10年以上前から児童・生徒へのくすり教育の普及活動を行ってきました。いざ病気やケガをしたときには、知識を生かして正しく使用し、早く治ってほしいという思いからです。 一方、前回の学習指導要領改訂によって、薬は公教育で扱われるようになりました。協議会はそのサポートとして、教材を作成し、教育にあたる学校教諭や学校薬剤師の先生方に出前研修*を数多く行ってきました。
 その過程で、子ども達が間違った薬の使い方をしているだけでなく、保護者や一般生活者でも同様に間違った薬の使い方が行わ れ、理解が不十分であることが調査結果から分かってきました。
 更に、2014年11月25日施行の改正薬事法では、「国民の役割」として薬を正しく理解し使用することが一般生活者の責務とされて います。しかし、「薬を正しく理解し使用するために最低限知っておかなければならないこと」が示されていなければ、保護者や一般生活者の方々の理解や浸透につながりません。
 そこで、くすりの適正使用協議会では「くすりの知識10ヵ条」を作成しました。自分のために、そして家族のために、この10 ヵ条を知識だけでなく実際の行動で実践していただけることを願っています。
*出前研修: くすり教育の教育者や学校薬剤師などを対象に、協議会の認定アドバイザーが出向いて、授業で活用すると効果的な教材や、授業の一例などを研修。これまでに約150カ所、9,000名が受講。


Q 誰がつくったのですか?
A くすりの適正使用協議会のくすり教育委員会です

  くすり教育委員会は、多くの啓発・普及活動の経験から、一般生活者にも薬の正しい使い方を広める必要性を感じ、また一般生活者からも薬について知りたいとの要望がありました。そこで、くすり教育委員会全員で作成し、部会の承認を得て協議会の作成物としました。

くすりの知識10ヵ条 解説

第1条
人のからだは「自然治癒力」を備えています。しかし「自然治癒力」が充分に働かないこともあります。そのような時に病気やけがの回復を補助したり、原因を取り除くためにくすりを用います。

解説

風邪をひいた時、栄養をとり暖かくして休養すると治った経験はありませんか?これは人間の体が生まれながらに持っている「自然治癒力」によるものです。薬は、熱などの症状を和らげたり、病原菌などの原因を取り除くことで、自然治癒力を助けます。また、病気の予防や診断にも使われています。

DATA

風邪予防のためには、風邪薬をのむと良い? 正解:× 
風邪薬は風邪の症状を抑える薬で、風邪を予防することはできません。自然治癒力を高めるのが一番です!

第2条
くすりは長い年月をかけて創り出され、承認制度により有効性や安全性が審査されています。

解説

薬を開発するには、基礎試験や臨床試験など、数々の試験で繰り返し効果と安全性が確認され、国の審査を経たものだけが、薬として認められます。

DATA

新薬開発の成功率は約25,000分の1。1つの薬を開発するには9~17年かかると言われ、最近では、ゲノム創薬、iPS細胞などの新技術も導入され始めています。しかし開発は途中で断念されることも多く、容易なことではありません。

第3条
くすりには、医師の処方せんが必要な医療用医薬品と処方せんがなくても薬局・ドラッグストアなどで直接買える一般用医薬品があり、その販売は法律で規制されています。

解説

医療用医薬品は、医師の診察・診断により、患者さんの症状や年齢、体質などに合わせて処方され、購入には処方箋が必要です。

一般用医薬品は、症状などを自分で判断し、処方箋がなくても薬局・ドラッグストアなどで購入できるもので、安全性の度合いから注意が必要な順に、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品に分類されます。なお、このほかにドラッグストアなどで買える「要指導医薬品」があります。使用には特に注意が必要で、購入時に薬剤師から書面による説明を受ける必要があります。一般用医薬品と違ってインターネットでは購入できません。             

第4条
くすりは、使用回数、使用時間、使用量など、決められた使用方法がそれぞれ異なっており、医師・薬剤師の指示や、くすりの説明書に従って正しく使用しましょう。

解説

のみ薬は体内で血液により全身に運ばれ、目的の場所で効果を発揮し、徐々に排泄されます。薬は、効果を発揮するのに適した濃度(血中濃度)を保つ必要があるため、最も安全に、最大の効果が発揮される使用回数・時間・量が決められています。それぞれの薬の決められた使い方を守りましょう。

DATA

1日3回のむ薬。いつも昼の分を飲み忘れてしまうので、朝に昼の分も一緒にのんで良い? 正解:× のんではいけない
朝に2回分飲むことで薬の血中濃度が高くなりすぎて危険な範囲に・・・。副作用を引き起こすことがあるので絶対に2回分を一度に飲んではいけません。


第5条
医療用医薬品は、自分の判断で止めたり量を減らしたりせず、また、そのくすりを他の人に使ってはいけません。

解説

医療用医薬品は、一人ひとりのオーダーメード。その患者さんに合った薬を、必要な量と期間を考慮して医師が処方します。例えば抗生物質をのむと、症状も軽くなるので途中でやめてしまいがち。しかし、生き残った病原菌が再び増えて重い症状を引き起こすこともあります。自己判断でやめたり量を減らしたりせず、のみ切ることが大切です。また、その薬を他の人に使わないでください。関連情報はこちらをクリック!

DATA

自分が病院で処方された薬を、家族が同じような症状の時に譲渡しても良い? 正解:× あげてはダメ
自分の処方薬を譲渡してはいけないことを理解している人は約9割、そのうち4割には譲渡の経験があります。特に女性に多いようです。

第6条
くすりには主作用と副作用があり、副作用には予期できるものと予期することが困難なものがあります。

解説

薬の本来の目的である病気を治したり症状を軽くする働きのことを「主作用」、薬本来の目的以外の好ましくない働きのことを「副作用」と言います。例えば花粉症の薬などに含まれる抗ヒスタミン成分は、ヒスタミン受容体をブロックし、鼻水やくしゃみを抑える一方、脳に作用して眠気を起こすことがあります。このように、全ての薬は、「主作用」と「副作用」を併せ持っています。
薬は、「主作用」が大きく、「副作用」がなるべく小さくなるように使用します。自分にあった薬を正しく使うことで、副作用を最小限に抑えることができますが、何か変だなと思ったら、すぐに医師、薬剤師に相談しましょう。

DATA

薬を正しく使っていても副作用が起こる可能性がある? 正解:○ 起こる可能性がある
その薬が元々持っている性質、患者さんの体質や体調により、正しく使っても副作用が起こることがあります。また、説明書などに記載されている副作用だけでなく、予期できない副作用が出る場合もあります。

第7条
くすりを使用していつもと様子が違う時や判らないことがある時は、医師・薬剤師に相談しましょう。

解説

こんなことありませんか? 「またくすりをのみ忘れてしまった・・・」「具合が良くならないけど、このままのみ続けても大丈夫?」「家に残っている薬、どうしたらいいの?」「子どもが薬をのんでくれない・・・」・・・思い当たることがあれば、医師・薬剤師に気軽に相談してみましょう。

第8条
くすりは高温・多湿・直射日光を避け、子供の手の届かないところに保管しましょう。

解説

医療用医薬品では、患者さん本人が処方された期間内に使い切ります。一般用医薬品では、外箱に印刷された使用期限を確認します。通常、製造後未開封で3 ~ 5年が使用期限です。薬は、車内や窓際などの高温・多湿・直射日光を避け、誤飲による中毒を防ぐため乳幼児の手が届かない場所に保管してください。

DATA

薬を車の中に保管しておいても良い? 正解:× 
真夏の車内では80度近くなることもあります。8割以上が正解しましたが、一方理解していない人も。

第9条
「サプリメント」や「トクホ」は食品であり、くすりではありません。

解説

薬は、病気やケガを予防したり治療することを目的に、医師や薬剤師などの専門家の指導のもとで使います。製品としての品質は一定です。
健康食品は、健康な人が健康の維持や増進を目的に、自分の判断で使います。薬と違って、同じ製品でも品質は一定とは限りません。
健康食品による健康被害も報告されています。正しい知識のもと、使用する場合は医療関係者に確認しながら、確かな製品を適切に利用しましょう。
①健康食品は薬ではない ②過剰摂取などの不適切な利用はしない ③薬や他の健康食品とののみ合わせに注意する ④医療機関を受診するときは、常用している健康食品を伝える ⑤健康食品の情報は、公的機関の情報を参考に

DATA

健康食品やサプリメントは、医薬品に含まれる? 正解:× 含まれない
薬に似ていても、薬でない「サプリメント」。薬と同じ形をしているものが多く、一般の方が効果を期待して使用する傾向があります。

第10条
「おくすり手帳」は大切な情報源です。一人一冊ずつ持ちましょう。

解説

「 おくすり手帳」は、処方された薬の名前やのむ量、回数、のみ方、注意すること、服用歴がわかるようになっています。使用しているOTC医薬品(一般用医薬品)や健康食品も自分で記入しておくことで、医師や薬剤師にとって重要な情報源になり、のんでいる薬とののみあわせをチェックしてもらえたり、薬の重複も避けられます。かかりつけでない医療機関でも、診察や調剤の時に「おくすり手帳」を見せれば安心です。診療科・医院・病院ごとではなく、「おくすり手帳」は1人1冊ずつ持ちましょう。

DATA

おくすり手帳を、治療を受けている診療科/医院/病院ごとに複数持ってはいけない? 正解:○ 複数もってはいけない

DATAについて
調査方法: インターネット調査
調査実施期間: 平成26年6月
調査対象者: 全国の20 歳以上の男女900名
[20-30代男女、40-50代男女、60代以上の男女、各300名]
調査全文はこちら

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