薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
主成分: |
タクロリムス水和物(Tacrolimus hydrate)
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シート記載: |
(表)プログラフ5mg、社マーク、f657、プログラフ5、(裏)5mg Prograf、5mg プログラフ、プログラフ5、Prograf 5、タクロリムス(Tacrolimus)、社マーク、アステラス製薬 |
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この薬の作用と効果について
サイトカインと呼ばれるタンパクの中でも、移植後拒絶反応に関わる因子を抑えることにより拒絶反応を防ぎます。 通常、移植後(腎・肝・心・肺・膵・小腸・骨髄)の拒絶反応や移植片対宿主病(骨髄移植のみ)を抑えるために用いられます。
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次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。感染症、腎障害、肝障害がある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
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用法・用量(この薬の使い方)
- 腎移植:通常、移植2日前より1回タクロリムスとして0.15mg/kgを1日2回服用します。術後初期には1回0.15mg/kgを1日2回服用し、以後、徐々に減らしていきます。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回服用を標準としますが、症状により適宜増減されます。
肝移植:通常、初期には1回タクロリムスとして0.15mg/kgを1日2回服用します。以後、徐々に減らしていきます。維持量は1日量として0.10mg/kg服用を標準としますが、症状により適宜増減されます。 心移植:通常、初期には1回タクロリムスとして0.03〜0.15mg/kgを1日2回服用します。また、拒絶反応発現後に服用を開始する場合は、通常、1回0.075〜0.15mg/kgを1日2回服用します。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減らし有効最少量で維持されます。 肺移植:通常、初期には1回タクロリムスとして0.05〜0.15mg/kgを1日2回服用します。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減らし有効最少量で維持されます。 膵移植:通常、初期には1回タクロリムスとして0.15mg/kgを1日2回服用します。以後、徐々に減らし有効最少量で維持されます。 小腸移植:通常、初期には1回タクロリムスとして0.15mg/kgを1日2回服用します。以後、徐々に減らし有効最少量で維持されます。 骨髄移植:通常、移植1日前より1回タクロリムスとして0.06mg/kgを1日2回服用します。移植初期には1回0.06mg/kgを1日2回服用し、以後、徐々に減らしていきます。また、移植片対宿主病発現後に服用を開始する場合は、通常、1回0.15mg/kg、1日2回服用しますが、症状により適宜増減されます。 本剤は1カプセル中にタクロリムスとして5mgを含有します。いずれの場合も、必ず指示された服用方法に従ってください。
- 飲み忘れた場合は、気がついた時できるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間は5時間以上間隔をあけてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
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生活上の注意
- 感染しやすくなりますので、手洗いやうがいを行い、規則正しい生活を心がけてください。
- グレープフルーツ(ジュース)は、この薬の作用を強めることがありますので、これらを一緒に飲食することは避けてください。
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品はこの薬の作用を弱めることがありますので、これらを一緒に飲むことは避けてください。
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この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、腎障害、血圧上昇、振戦(手足の震え)、感染症、糖尿病などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 尿量が減る、全身のむくみ、のどの渇き[急性腎障害、ネフローゼ症候群]
- 動悸、息切れ、胸が苦しい、全身のむくみ、胸痛[心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留、心筋障害]
- けいれん、意識障害、言語障害[可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症、進行性多巣性白質脳症(PML)などの中枢神経系障害]
- 頭痛、一時的な意識障害、手足の片側の麻痺[脳血管障害]
- 呼吸困難、息苦しい[呼吸困難、急性呼吸窮迫症候群]
- 発熱、全身倦怠感、かぜのような症状[感染症]
- 口渇、多飲・多尿、疲れやすい[糖尿病および糖尿病の悪化、高血糖]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
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保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については受け取った薬局や医療機関に相談してください。
- 予防接種は、医師の許可なしに受けないでください。
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