薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
主成分: |
シポニモド フマル酸(Siponimod fumaric acid)
|
剤形: |
薄い黄色の錠剤、直径6.2mm、厚さ2.8mm |
|
 |
この薬の作用と効果について
リンパ球に作用し、神経の炎症を抑えたり、神経を保護することにより、多発性硬化症の再発を予防し、身体的障害の進行を抑えます。 通常、二次性進行型多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制に用いられます。
|
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。感染症、6カ月以内に心筋梗塞・不安定狭心症・心不全があった、第2度以上の房室ブロック、洞不全症候群、QT延長がある、ワクチン接種を受けた、遺伝子型CYP2C9*3/*3を保有している。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
|
用法・用量(この薬の使い方)
- 通常、成人はシポニモドとして0.25mgから開始し、2日目に0.25mg、3日目に0.5mg、4日目に0.75mg、5日目に1.25mg、6日目に2mgを1日1回朝に服用します。7日目以降は維持期として2mgを1日1回服用しますが、状態によって適宜減量することがあります。本剤は1錠中にシポニモド2mgを含有します。必ず指示された服用方法に従ってください。
- 本剤は2mgを服用する際に使用します。
- 遺伝子型CYP2C9*1/*3または*2/*3を保有する人は、5日目以降を維持期として、1mgが飲む量となることがあります。
- 最初に飲む前と最初に飲んでから6時間は心拍数、血圧と心電図が測定されます。徐脈性不整脈の症状(失神、めまい、息切れなど)があらわれたら、すぐに医師に相談してください。
- この薬を使い始める前に、血球数算定や肝臓の機能を調べるための血液検査、肝臓の分解(代謝)酵素であるCYP2C9の遺伝子型を確認するための遺伝子検査、糖尿病、ブドウ膜炎、網膜の疾患がある人や過去にこれらの疾患があった人は、眼科学的検査が行われます。
- この薬の使用中に水痘(みずぼうそう)または帯状疱疹に初感染すると重症化することがあるので、この薬の使用前に水痘または帯状疱疹にかかったことがあるかと予防接種をうけたことがあるかが確認されます。必要に応じてワクチン接種がされることがあります。ワクチンを接種した場合はワクチンの効果が十分得られてからこの薬が使用されます。
- 増量期間中に1日でも飲み忘れた場合には、医師に相談してください。維持期以降に飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。4日以上連続して飲み忘れた場合は、医師に相談してください。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。再び飲み始める場合は、医師に相談してください。
|
生活上の注意
- 感染症があらわれることがあります。感染症状(発熱、けん怠感など)があらわれた場合には、ただちに医師に連絡してください。
- この薬を服用中は、血球数算定、眼科学的検査、肝機能検査、血圧測定を定期的に行います。
- 使用初期に、めまい、ふらつきがあらわれることがありますので、車の運転など危険を伴う機械の操作を行う時は注意してください。
- この薬を飲んでいるあいだは、妊娠しないように注意してください。また、最後に服用した後10日間は、妊娠しないように注意してください。
|
この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、頭痛、高血圧、徐脈などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- けん怠感、発熱、寒気[感染症]
- 霧視、視力の低下[黄斑浮腫]
- 失神、めまい、息切れ[徐脈性不整脈(徐脈、房室ブロック)]
- めまい、動悸、失神[QT間隔延長]
- 頭痛、意識障害、けいれん[可逆性後白質脳症症候群]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
|
保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、湿気を避けて冷蔵庫など(2〜8℃)で保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については、受け取った薬局や医療機関に相談してください。
- 生ワクチンを接種すると発症するおそれがありますので、生ワクチンを接種しないでください。予防接種を受ける場合には、医師または薬剤師に相談してください。
|
医療担当者記入欄
年
月
日
|