薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
主成分: |
バルプロ酸ナトリウム(Sodium valproate)
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剤形: |
黄色の錠剤、直径9.2mm、厚さ4.9mm |
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この薬の作用と効果について
脳内の抑制性神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)を介して、片頭痛発作発現を抑えると考えられています。 通常、片頭痛の治療に用いられ、片頭痛の発作を防ぐ、もしくは軽くします。起こってしまった片頭痛発作を改善する薬ではありません。
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次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝障害、原因不明の脳症・昏睡、尿素サイクル異常症、原因不明の乳児死亡の家族歴がある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
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用法・用量(この薬の使い方)
- 通常、1日2〜4錠(主成分として400〜800mg)を2〜3回に分けて服用しますが、年齢・症状により適宜増減されます。ただし1日5錠(1,000mg)までとされています。必ず指示された服用方法に従ってください。
- 飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。次の服用時間まで4時間程度あけてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
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生活上の注意
- 眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがありますので、車の運転や危険な作業は避けてください。
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この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、傾眠、失調(手足の運動がうまくできない)、頭痛、不眠、不穏(落ち着かないこと)、視覚異常、吐き気・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、便秘、発疹、夜尿・頻尿、けん怠感、鼻血などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 急な意識の低下、体がだるい・食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる[劇症肝炎などの重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝]
- 物忘れをする、訳が分からない行動をする、あばれる[高アンモニア血症を伴う意識障害]
- 体がだるい、めまい、あおあざができる[溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少]
- 激しい腹痛、発熱、吐き気[急性膵炎]
- 発熱、目の充血および目・唇周辺のただれ、皮膚が広い範囲で赤くなり破れやすい水ぶくれが多発[中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群]
- から咳、息切れ、発熱[間質性肺炎、好酸球性肺炎]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
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保管方法その他
- この薬は吸湿性が強いのでシートから出さずに、また包装が破損しないように保管してください。
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。
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