薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
剤形: |
くぼみのある淡赤白色の楕円形の錠剤、直径約9.0mm、短径約7.5mm、厚さ約3mm |
シート記載: |
(表)オルミエント錠2mg、2mg、Lilly 2、オルミエント錠 (裏)olumiant、オルミエント錠、2mg |
|
 |
この薬の作用と効果について
ヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素を阻害することで、関節リウマチやアトピー性皮膚炎の病態形成にかかわる、さまざまなサイトカインの働きを抑えることにより症状を改善します。 通常、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)やアトピー性皮膚炎の治療に用いられます。
|
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。重篤な感染症(敗血症など)、活動性結核、腎機能障害、好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン値減少がある。B型肝炎である。帯状疱疹にかかったことがある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
|
用法・用量(この薬の使い方)
- 通常、成人は1回2錠(主成分として4mg)を1日1回服用します。症状により、1回1錠(2mg)を1日1回に減量されることがあります。中等度の腎機能障害がある場合には、1回1錠(2mg)を1日1回服用します。必ず指示された服用方法に従ってください。
- 飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く1回分を飲んでください。その後通常の通り1日1回服用してください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
|
生活上の注意
- 感染症にかかりやすくなるので、手洗いやうがいをする、人混みを避けるなどの感染症予防対策をしてください。
- この薬を服用する前に結核スクリーニング検査やB型肝炎検査を含む血液検査などを受けてください。さらに、服用している間は、白血球などの血球数、脂質や肝機能などに異常がないかを確認するために、定期的に血液検査を受けてください。
- 妊娠する可能性のある人は、この薬を使用している間および使用終了後少なくとも1月経周期は、妊娠を避けてください。
|
この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、上気道感染、帯状疱疹、単純ヘルペス、吐き気、頭痛などが報告されています。異常が認められたら中止する副作用として、感染症、消化管穿孔、間質性肺炎、静脈血栓塞栓症などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- かぜのような症状、体がだるい、発熱、小水疱が帯状に生じる発疹[感染症]
- 吐き気、嘔吐、激しい腹痛[消化管穿孔]
- 発熱、のどの痛み、貧血[好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少]
- 体がだるい、食欲が低下する、白目や皮膚が黄色くなる[肝機能障害、黄疸]
- 発熱、から咳、息苦しい[間質性肺炎]
- 片方のふくらはぎが赤く腫れたり、ふくらはぎを押すと痛む、急に息苦しく感じたり、胸苦しさを感じる[静脈血栓塞栓症]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
|
保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については受け取った薬局や医療機関に相談してください。
- この薬を使用している間は生ワクチン〔BCG、麻疹(はしか)、風疹(ふうしん)、麻疹・風疹混合(MR)、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜなど〕の接種はできません。接種の必要がある場合には医師に相談してください。
|
医療担当者記入欄
年
月
日
|