薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
剤形: |
白色の割線入り錠剤、直径7.2mm、厚さ3.4mm |
シート記載: |
(表)オランザピン「ニプロ」、2.5mg、2.5、オランザピン、「ニプロ」、(裏)OLANZAPINE2.5mg「NIPRO」、オランザピン2.5mg「ニプロ」、2.5 |
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この薬の作用と効果について
脳内の伝達物質に作用し、幻覚・妄想などの症状、ならびに強い不安感やイライラ感などの症状を改善します。 通常、統合失調症の治療、双極性障害における躁症状およびうつ症状の改善、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤の使用に伴う消化器症状(吐き気、嘔吐)に用いられます。
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次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。昏睡状態にある。糖尿病またはその既往歴がある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
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用法・用量(この薬の使い方)
- 統合失調症:通常、成人は1回2〜4錠(主成分として5〜10mg)を1日1回服用より開始します。維持量として1日1回4錠(10mg)服用しますが、年齢・症状により適宜増減されます。ただし、1日8錠(20mg)を上限とします。
双極性障害における躁症状の改善:通常、成人は1回4錠(主成分として10mg)を1日1回服用より開始します。なお、年齢・症状により適宜増減されますが、1日8錠(20mg)を上限とします。 双極性障害におけるうつ症状の改善:通常、成人は1回2錠(主成分として5mg)を1日1回服用より開始します。その後、1日1回4錠(10mg)に増量されます。なお、いずれも就寝前に服用します。年齢・症状により適宜増減されますが、1日8錠(20mg)を上限とします。 抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)使用に伴う消化器症状(吐き気、嘔吐):他の制吐剤との併用において、通常、成人は1回2錠(主成分として5mg)を1日1回服用します。状態により適宜増量されますが、1日4錠(10mg)を上限とします。 いずれの場合も、必ず指示された服用方法に従ってください。
- 飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に通常服用する時間が近い場合は飲まずに、次の服用時間から1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
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生活上の注意
- 眠気、めまい、注意力・集中力・反射運動能力の低下などが現れることがありますので、高所での作業、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には従事しないでください。
- アルコールは薬の作用を強めるおそれがありますので、服用中は飲酒を避けてください。
- 喫煙により薬の作用が弱くなることがありますので、注意してください。
- 体重が増加することがありますので、体重が増加し始めた場合には、医師や薬剤師に相談し、食事内容を改善したり、運動をするなどしてください。
- 双極性障害におけるうつ状態では、疾患自体の特性から自殺念慮・攻撃性などの行動の変化があらわれることがありますので、患者さんやご家族の方は、医師と緊密に連絡を取り合ってください。
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この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、傾眠、不眠、アカシジア(じっとしている事ができない)、便秘、食欲亢進、口渇、体重増加、けん怠感などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 口渇、多飲、多尿[高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡]
- 脱力感、けん怠感、冷汗[低血糖]
- 急激な発熱、脈が早くなる、筋肉のこわばり[悪性症候群]
- 全身けん怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害、黄疸]
- けいれん[痙攣]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
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保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については、薬を受け取った薬局や医療機関に相談してください。
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