薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
主成分: |
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(Laninamivir octanoate hydrate)
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シート記載: |
要処方、イナビル吸入粉末剤20mg、第一三共、TwinCaps、吸入剤、(1)、(2)、製造番号 |
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この薬の作用と効果について
A型またはB型インフルエンザウイルス表面に存在する酵素(ノイラミニダーゼ)を選択的に阻害して、新しく形成されたウイルスの感染細胞からの遊離を阻害することにより、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。 通常、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の予防に用いられます。
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次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。乳製品アレルギーがある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
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用法・用量(この薬の使い方)
- 通常、成人および10歳以上の小児は2容器を、1日1回吸入します。または、1容器を、1日1回、2日間吸入します。10歳未満の小児は、1容器を、1日1回吸入します。本剤は1容器あたりラニナミビルオクタン酸エステルを20mg含有しており、薬剤が2ヵ所に充填されています。必ず指示された使用方法に従ってください。
- 本剤は口腔内への吸入にのみ使用し、使用説明書に書かれている使用方法をよく読んでください。
- 吸入し忘れた場合は、気がついた時点で1回分を吸入してください。
- 誤って多く吸入した場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で吸入するのを止めないでください。
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生活上の注意
- 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無または種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されています。従って、異常行動による転落など万が一の事故を防止するための予防的な対応が重要です。
自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者の方は転落などの事故に対する防止対策を行ってください。なお、異常行動は、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いことが知られています。
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この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、下痢、頭痛などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 失神、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗[ショック、アナフィラキシー]
- 発作的な息切れ、喘鳴(ヒューヒュー音)、呼吸しにくい、動くと呼吸しにくい[気管支攣縮、呼吸困難]
- 急に走り出す、徘徊する[異常行動]
- 発熱、眼球結膜の充血、唇のただれ、のどの痛み、円形または楕円形の赤い発疹[皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、多形紅斑]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
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保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
- 防湿のためアルミ包装されているので、吸入の直前にアルミ包装を開封してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。
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