くすりのしおり

注射剤
2018年6月改訂

薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。
商品名:
グラン注射液150[造血幹細胞の末梢血中への動員(同種造血幹細胞移植ドナー)]
 主成分:
フィルグラスチム(遺伝子組換え)(Filgrastim(Genetical Recombination))
 剤形:
注射剤
 シート記載:

この薬の作用と効果について

造血幹細胞を骨髄から血液中へ動員(放出)させる働きがあります。
通常、患者さんの治療に必要な造血幹細胞をドナー(提供者)から採取する際に、ドナーに使用します。

次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。

  • 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。他の白血球を増やす薬の投与を受けて、発しんやかゆみなどが出たことがある。
    下記のような基礎疾患をお持ちの方は重大な副作用を起す可能性があります(日本造血細胞移植学会ガイドライン「同種末梢血幹細胞ドナーの同意を得るに際しての説明資料」記載より)。
    血が固まりやすい、血管が詰まりやすいと言われたことがある(高血圧、心臓に持病、脳の血管が詰まった事、糖尿病、高脂血症がある)。脾腫を認める。白血球増多、血小板増多など骨髄の病気を疑われている。間質性肺炎を合併あるいは以前にかかった事がある。癌にかかった事がある。治療を必要とする心臓の病気、肺の病気、腎臓の病気がある。自己免疫疾患や炎症性の病気がある。肝機能障害がある。神経障害がある。
  • 妊娠、妊娠している可能性がある、授乳中
  • 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。

用法・用量(この薬の使い方)

  • あなたの用法・用量は(医療担当者記入)
  • 通常、1日1回または2回に分割し皮下に注射します。
  • 通常5日間連日または末梢血幹細胞採取の終了まで連日使用されますが、実際は効果を見ながら使用期間を決めています。具体的な使用期間については医師にお聞きください。
  • 使用前に、少量を皮内に注射して異常が見られないか確認することがあります。

生活上の注意

  • 本剤の使用による過剰な作用により、脾破裂が発現する可能性があるので、血液検査値の推移に留意するとともに、腹部の超音波検査などにより十分に観察を行なう必要性があります。

この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)

主な副作用として、腰痛、頭痛、関節痛、発熱、骨痛(胸部、腰部、骨盤部など)、肝機能異常などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
  • 寒気がする、動悸がする、冷や汗、血の気が引く[ショック、アナフィラキシー]
  • 発熱、から咳、息苦しい[間質性肺炎]
  • 苦しくて速い呼吸、唇が青くなる、手足の爪が青くなる[急性呼吸窮迫症候群]
  • 左上腹部の痛み、お腹が張った感じ[脾破裂]
  • 急激に胸を強く押さえつけられた感じ、狭心痛、冷や汗、死の恐怖感[心筋梗塞(日本造血細胞移植学会ガイドライン「同種末梢血幹細胞ドナーの同意を得るに際しての説明資料」記載より。)]
  • 頭痛、気分が悪い、嘔吐、意識がうすれる、半身まひ、しゃべりにくい[脳血管障害(同上)]
  • 低血圧、むくみ、急な体重増加[毛細血管漏出症候群]
  • 発熱、からだがだるい、頭痛、めまい[大型血管炎(大動脈、総頸動脈、鎖骨下動脈などの炎症)]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

保管方法その他

  • ドナーからの末梢血幹細胞の動員に対するこの薬の使用による長期の安全性は確立していないことからデータを集積中であることを十分に説明を受ける必要があります。
  • 本剤の使用による長期的な影響を調査するために数年間に渡り血液検査などの調査をお願いする事になります。

医療担当者記入欄  

より詳細な情報を望まれる場合は、担当の医師または薬剤師におたずねください。また、「患者向医薬品ガイド」、医療専門家向けの「添付文書情報」が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています。