薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。 |
主成分: |
ダサチニブ水和物(Dasatinib hydrate)
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剤形: |
白色〜微黄白色の円形の錠剤、直径5.6mm、厚さ3.3mm |
シート記載: |
(表)スプリセル錠 20mg、BMS 527、(裏)SPRYCEL 20mg、スプリセル錠20mg |
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この薬の作用と効果について
チロシンキナーゼ阻害作用のある抗悪性腫瘍剤で、白血病細胞の増殖に必要な異常なたんぱく質の働きを選択的に阻害して、白血病細胞の増殖を抑えます。 通常、慢性骨髄性白血病、再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療に用いられます。
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次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
- 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。イマチニブを使用して副作用が起きたことがある。間質性肺疾患にかかったことがある。肝臓の機能が低下している。心電図に異常がある。心臓に疾患がある。
- 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
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用法・用量(この薬の使い方)
- 慢性骨髄性白血病:(慢性期)通常、成人は1回ダサチニブとして100mgを1日1回服用します。症状により適宜増減されますが、1日1回140mgまで増量されることがあります。(移行期・急性期)通常、成人は1回ダサチニブとして70mgを1日2回服用します。症状により適宜増減されますが、1回90mgを1日2回まで増量されることがあります。
再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病:通常、成人は1回ダサチニブとして70mgを1日2回服用します。症状により適宜増減されますが、1回90mgを1日2回まで増量されることがあります。 本剤は1錠中にダサチニブとして20mgを含有しますが、他に1錠中に50mgを含有する製剤もあり、組み合わせて用いられます。必ず指示された服用方法に従ってください。 - かまずにそのまま服用してください。
- 飲み忘れた場合は、次の通常飲む時間に1回分を飲んでください。次回からも決められた時間に飲んでください。絶対に2回分を一度に服用してはいけません。
- 誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
- 医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
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生活上の注意
- 効果や副作用を確かめるために必ず定期的に受診してください。
- グレープフルーツジュースによって、この薬の血中濃度が高くなり、作用が強くあらわれることがありますので、避けてください。
- セイヨウオトギリソウを含有する食品によって、この薬の血中濃度が低くなり、作用が弱くなることがありますので、避けてください。
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この薬を使ったあと気をつけていただくこと(副作用)
主な副作用として、貧血、発熱、発疹、頭痛、下痢、倦怠感、浮腫、胸水、咳嗽、鼻咽頭炎、便秘、吐き気、体重増加、筋痛などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。 このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
- 発熱、悪寒、咳、鼻水が出る、めまい、出血しやすい、血が止まりにくい、あざができる、体がだるい、疲れやすい、息切れ、のどの痛み[骨髄抑制]
- 頭痛、意識障害、腹痛[脳・硬膜下・消化管などの出血]
- 呼吸困難、から咳、体重増加[胸水・肺水腫・心嚢液貯留・腹水・全身性浮腫などの体液貯留]
- 発熱、倦怠感、さむけ[感染症]
- 発熱、咳、胸や息が苦しくなる[間質性肺疾患]
- 尿量が減る[腫瘍崩壊症候群]
- 動悸、気を失う[心電図QT延長]
- 動悸、息切れ、胸が痛い、苦しい[心不全,心筋梗塞]
- 尿の出が悪くなる、血尿が出る[急性腎障害]
- 動いた時に息苦しい、疲れやすい、体がだるい、意識がなくなる、足がむくむ[肺動脈性肺高血圧症]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
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保管方法その他
- 乳幼児、小児の手の届かないところで、室温で保管してください。
- 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄については受け取った薬局や医療機関に相談してください。
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