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「健康寿命の延伸と医薬品リテラシーの向上」をテーマに慶應義塾大学とシンポジウムを共催

 協議会は一般社団法人に移行して初となるシンポジウムを、9月25日(金)に慶應義塾大学薬学部医薬品開発規制科学講座との共催で「健康寿命の延伸と医薬品リテラシー*の向上」をテーマに開催しました。
 同大学で開催した本シンポジウムには、製薬企業やメディア、アカデミアなど約130名が参加しました。

■シンポジウム開催の目的
 超高齢化を迎え、今や健康寿命の延伸は国民や医療の専門家の関心事であり、国や関連団体、専門家、産業界などがそれぞれの領域で努力を重ねています。しかし最終的には、国民一人ひとりの認識と行動の改革が目標到達の鍵であると考えます。そこで、さまざまな立場の方々から、医薬品の適正使用の推進を「健康寿命の延伸」のひとつの軸として活かす方策について幅広く議論しました。

■さまざまな立場の方々からの提言
 冒頭、厚生労働省 医薬食品局長の神田 裕二氏からの祝辞、慶應義塾大学 薬学部長の望月 眞弓氏からの開会挨拶を頂きました。続いて黒川から一般の方々の適正使用の現状や趣旨説明を行い、各演者に講演頂きました。

【医師の立場から - 鈴木 邦彦氏(公益社団法人日本医師会 常任理事)】
 かかりつけ医を中心とした地域医療・介護の提供や、地域包括ケアシステムにおける多職種連携が紹介され、一般用医薬品や後発医薬品、ワクチンを用いた予防接種について、患者さんの正しい理解のための啓発が必要とされました。

【薬剤師の立場から - 有澤 賢二氏(公益社団法人日本薬剤師会 常務理事)】
 調剤業務や医薬品適正使用の推進、在宅医療、地域連携、セルフメディケーションなど4つの観点からかかりつけ薬局・薬剤師のあるべき姿が紹介されました。最後に、今後さらに高齢化が進むことから、企業の製造販売後調査における高齢者のデータ収集の強化が提案されました。

【行政の立場から - 紀平 哲也氏(厚生労働省 医薬食品局 総務課 課長補佐)】
 医薬品医療機器法に至るまでの薬事制度改正の流れを紹介したうえで、医薬品には外見から品質や使い方が分からないBlack Box性があり、医薬品安全性監視活動やリスク最小化活動、そして薬剤師などの専門家の関与が必要であることや、かかりつけ薬局の推進などの国の方向性が示されました。

【報道関係者の立場から - 高橋 圭史氏(読売新聞社 編集局医療部 記者)】
 読売新聞がシリーズで取り上げた「高齢者と薬」に関する記事が紹介され、高齢者の適正使用には、医師や患者さんの意識改革、高齢者における用法・用量の研究開発などが必要とされました。

【製薬企業の立場から - 宇田 恒信氏(日本製薬団体連合会 安全性委員会委員長)】
 クスリはリスクであり、医薬品の適正使用とリテラシー向上は医薬品の価値を高めるとの考え方が示されました。そのうえで、人々の医薬品リテラシーの向上のために、自分や家族が患者なら何を望むかという観点での、企業からの情報提供の更なる強化が必要と締めくくられました。

【消費者・患者の立場から - 長谷川 三枝子氏(日本リウマチ友の会 会長)】
 リウマチの患者さん・ご家族から見た薬物療法の位置づけや、患者さん自らの基本的知識の習得などの必要性、また、リウマチの薬物療法では既に「医療関係者と患者との目標達成に向けた治療(Treat to target=T2T)」が可能となりつつある現状が紹介されました。

 講演後は6名の演者がパネルディスカッションを行い、最後に黒川が、各方面の努力が確実に成果に結びつくよう、今後も永い目で取り組んでいきたいと総括し閉会しました。