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第15回日本医薬品情報学会学術大会 ポスター発表

 近畿大学を会場として、第15回日本医薬品情報学会学術大会が2012年7月7-8日に開催されました。今回のテーマである「医薬品情報-その正しい評価と解析・提供-」に対して、当委員会からは今年もくすりのしおり®を題材とした、『英語版くすりのしおり®の今後の取り組みについて』をポスター発表を行いました。ポスターの詳細はこちらからご覧いただけます

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 くすりのしおり®は、当協議会において薬剤師の資格をもった者が、国と企業により評価された添付文書を参照する事により、その内容を公開前に確認しています。日本にはもちろん外国人の患者さんも多数います。全ての言語に対応する事は難しいところですが、せめて世界中で広く利用されている英語に対応するのは企業の社会貢献 ではないか、ということで2003年から英語版の作成に取り組んでおります。この度、取り組みを始めて以降の作成状況を調査しました。
 2012年5月31日現在、くすりのしおり®は製薬企業141社により約1万件作成されています。そのうち英語版くすりのしおり®は45社1,656件(16.4%)でした。医薬品の有効成分652成分に対してくすりのしおり®英語版が作成されていますが、有効成分を薬効群別に集計したところ、市場にある成分に対する充足度にばらつきがありました。例えば、比較的多くの成分に対応できていたのは、血圧降下剤(62.3%)と眼科用剤(62.5%)、あまり対応できていなかった薬効群は、精神神経用剤34.2%、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎剤24.2%でした。
患者さんがくすりを使用するにあたり、副作用等を踏まえて医薬品の安全使用のために必要な情報を患者さんに提供すること、また、医薬品の使用に伴って患者さんに変化がおきていないかどうかを薬剤師が気遣う事が求められています。こうした薬剤師業務の中で、各医療機関では特に注意が必要な医薬品(ハイリスク薬)を定めています。
そこで、くすりのしおり®を利用している調剤薬局チェーンのご協力を得て、ハイリスク薬に対してくすりのしおり®英語版がどの程度作成されているかを調査しました。ある薬局において、調剤される医薬品のうちハイリスク薬は247成分あり、くすりのしおり®は239成分(96.8%)に対応していましたが、英語版はほぼ半数の125成分(50.6%)でした。
また、ある製薬企業のお薬相談窓口に寄せられた英語版製品情報資料請求の使用理由を分析したところ、患者さんが渡航する際に英語で説明された資料を必要とされている割合が高い結果となりました。もう少し調査をしなければなりませんが、渡航の際に携帯される可能性のある薬剤の英語版くすりのしおり®の充実も重要な課題と考えられます。
 当協議会では、今後も、患者さんのニーズの把握に努めるとともに、英語版くすりのしおり®を患者さんと医療に携わる先生方に活用していただけるよう、網羅性と品質の向上に努めたいと思います。