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2008年03月26日

文科省「学習指導要領案」について 「小、中学校くすり教育」に関するパブリックコメントを提出

 くすりの適正使用協議会が取り組んでいる「児童へのくすり教育」に関連して、本年2月に文部科学省が公表した「学習指導要領案」について、3月14日にパブリックコメントを提出いたしました。

 協議会では、生命・健康の維持増進に課す医薬品の重要性を考え、患者さん、医師、薬剤師など直に関わる人々に対して「医薬品の適正使用」を啓発し、普及する活動を長年に亘って展開しております。
とりわけ、「できるだけ早い時期から医薬品に関する基本的な学習を行う重要性」を認識し、児童・生徒を対象にした「くすり教育」に取り組み、教育現場での実践にも移しております。学校教育で医薬品の本質を学ぶことが、医薬品適正使用の認識につながり、一生涯安全にそして安心して医薬品を用いられるようになると考えております。

 協議会が、平成13年に全国の小学校高学年を対象に行った調査の結果、日本における小学生に対するくすりの教育は不十分であることが確認されました。その結果を受け、平成16年度に「児童および青少年のくすり教育プログラムガイド」(以下、プログラムガイド)を作成しました。その後、教育用パワー・ポイント・スライドの作成、それを用いてのトライアル授業の実施、平成19年度にはトライアル授業のチラシの配布、全国の学校薬剤師および養護教諭に資材の貸出し(人体模型、大型カプセル模型等)等を積極的に行ってきました。
このように協議会では「くすりの授業」を実施しやすい環境作りの支援を通じて、精力的に我が国の『くすり教育』の進展のために尽力しております。
また、昨年11月に中教審初等中等教育分科会教育課程部会が公表した「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」にパブリックコメントを提出いたしました。
 こうした実情を踏まえて、さらなる『くすり教育』の進展のために、「小学校学習指導要領案」および「中学校学習指導要領案」に以下の要点でパブリックコメントを提出いたしました。

【小学校学習指導要領案】
 体育の節、保健の中に、「医薬品の基礎的な役割」の追加記述を要望。

【中学校学習指導要領案】
保健体育〔保健分野〕
①『医薬品は正しく使用すること』について、その具体的内容として「医薬品の有効性と副作用を踏まえた使用について取り扱う」旨の記述を追加するよう要望。
②『医薬品は正しく使用すること』の学習は、「第3学年」とされており、これを「第1学年、第2学年及び第3学年」に変更するよう要望。
③『喫煙,飲酒,薬物乱用などの行為は,心身に様々な影響を与え,健康を損なう原因となること』とあり、この「薬物」について、「薬物は、覚せい剤や大麻等を」とされているが、これを「薬物は、医薬品、覚せい剤や大麻等を」に変更するよう要望。

<理由>
・保健については、小学校、中学校及び高等学校を通じて系統性のある指導が必要と考える。早い段階から医薬品の本質を学ぶことが必要である。
・案文にある「健康及び病気の予防(小学校)に関する指導を充実」は、医薬品抜きでは話が成立しない。
・薬物乱用は、覚せい剤や大麻に限られるものではなく、リタリン®などの医薬品も含む。乱用問題は低年齢化が進んでいることも勘案して欲しい。
・イギリスでも、医薬品を含めた薬物教育が系統的に行われている。


参 考: 【当協議会における、平成19年度「くすり教育」関連活動】
協議会の位置づけ:くすり教育の現場で授業の企画・実施を行う「養護教諭」と、授業の実施・解説を行う「学校薬剤師」、それぞれの立場にたち、ハブ役を務めていくことを前提として活動。

<教諭対象>
◆「小学保健ニュース」 
・10/18発行:ポスター作成「くすりを飲むときはルールがある」 
         約2万校へ送付。
◆「教育家庭新聞」 22万部
・7/14発行:児童教育URLを広告掲載。
・10/13発行:加藤哲太氏(東京薬科大学薬学部教授)のインタビュー「くすり教育の現状と重要性」、藤嶋由紀子氏(熊本県南阿蘇郡白水小学校養護教諭)のインタビュー「実施したくすりの授業について」、協議会のホームページのコンテンツ(スライドや動画)の紹介。
・11/10発行:文京区保健主任研修会(9/21)の内容紹介。
◆「第13回全養連研究協議会」出展
・2/22:「くすり教育」に関するパッケージ資料260部配布。

<学校薬剤師/薬剤師会対象>
◆日本薬剤師会「医薬品適正使用啓発推進検討会」発足、参加平成19年度の「厚生労働省における取り組み」の中で、医薬品適正使用啓発推進事業として「学校教育への取り組み」という具体案が示された。協議会は関係団体と共にこのプロジェクトチーム「医薬品適正使用啓発推進事業検討会」(事務局:社団法人日本薬剤師会)のメンバーとして参画した。
検討会での「啓発資材の作成」において、協議会のパワー・ポイント・スライドが採用され、活用された。
◆京都府「京都学校薬剤師会演習会」
・5/27:協議会のHPにある「PPスライドを使った教材作成方法」をメインに1時間の講義を実施。
◆「健康・学校環境衛生講習会(宮崎)」
・8/5:展示参加。協議会のHPを紹介し、くすり教育関連資料を配布してHPアクセスアップ及び講師派遣要望の引き出しを狙った。
◆「文京区教育委員会 保健主任対象研修会」
・9/21:ホームページコンテンツ紹介、オリジナルファイル作成方法講習。
      くすりの授業のすすめ方講習(デモ実施)。
◆府中市学校薬剤師会
・11/28:学習指導要領改訂により、中学校に医薬品が含まれるなどの動きを解説、授業の進め方のコツ、教材紹介。
◆和歌山県薬剤師会
・12/16:授業の進め方のコツ、くすり相談会の進め方、高齢者への啓発について、教材紹介。
◆神奈川県薬剤師会 「神奈川県医薬品適正使用啓発資材作成小委員会」
・1/10:模型・教材紹介を含め、授業の進め方について解説。
◆日本薬剤師会 「平成19年度 全国学校薬剤師担当者講習会」
・3/6:都道府県薬剤師会 学校薬剤師担当役員対象であるが、協議会から2名参加し聴講。


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中学校学習指導要領案に対するパブリックコメント