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2007年09月28日

薬剤疫学実践セミナーを開催

 くすりの適正使用協議会では薬剤疫学の啓発・普及を目的として、研修事業を展開しています。この度、製薬企業の実務担当者を対象とした薬剤疫学初級セミナー(毎年開催)よりも実務に役立つレベルの高い研修の要望が数多く寄せられていたことから、初の試みとして薬剤疫学実践セミナーを開催しました。9月26日(木)に会員社66名、非会員社(大学関係者を含む)47名、計113名の参加のもと、朝日生命大手町ビル27F サンスカイルームで開催しました。

海老原理事長の開講挨拶に引き続き、①ファルマコビジランスと薬剤疫学とのインターフェイス -ファルマコビジランスの観点からみた薬剤疫学研究-:鈴木伸二先生(くすりの適正使用協議会ヨーロッパ事務所)、②医療統計概論:浜田知久馬先生(東京理科大学工学部経営工学科 准教授)、③薬剤疫学の研究デザインと実例:藤田利治先生(統計数理研究所データ科学研究系教授)、④シグナル検出手法の安全対策業務への導入:中村 悟先生(医薬品医療機器総合機構安全部)が講演されました。
講演終了後には受講者から多くの質問があり、活気に満ちたセミナーであったことは主催者として嬉しく思っているところです。

小中学校保健主任を対象に『くすりの適正使用について』研修会で講演しました。

 この研修会は文京区教育委員会が年3回開催し、区の小中学校の養護教諭を中心とした保健主任を対象とするものです。今回はその第2回目で9月21日(金)に開催され、27名の先生が参加されました。

 今回は、生徒たちの中には常に薬を服用する子もいるなか、先生方に基本的な薬の効き方などの知識を持ってもらうこと、また、薬の正しい使い方を指導する際の教材作成方法を理解してもらう事を目的に講演しました。
 
 実際には、くすり教育ホームページを活用したオリジナルスライドの作成についてデモを行い、その後京都学校薬剤師会会長の守谷まさ子先生から、体内に取り入れる様々な物質の一つとしての「薬」、取り込んだ薬はどのように体内(=血中)に入るのか、血中の薬の濃度と効き目、ジェネリック医薬品や薬のさまざまな工夫(腸溶錠など)、そして代謝酵素まで幅広く説明しました。

 後半では、授業のストーリーの組み立てやコツのほか、実際に皆さんに空カプセルをお渡しし、水をつけた指でカプセルを触ってもらったり、お茶と鉄剤を反応させるなど、くすりの正しい使い方に関する実験を行いました。

 特に実験には先生方が熱心に参加され、楽しい授業が出来そうだとの前向きな感想が出されたり、薬についての質問も出るなど、普段感じている疑問点を解消する機会にもなったように見受けられました。

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 なお、このような研修会を希望される方や団体に対し、講習会・研修会への講師派遣を行っています。詳しくはこちらのページをご覧下さい。

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プロトコル作成研修セミナーを開催

 くすりの適正使用協議会が主管している、育薬アカデミーの教育研修事業の一環として、今年も浦島充佳先生(東京慈恵会医科大学臨床開発研究室准教授)を講師に迎え、会員企業でプロトコル作成を行う者を対象にプロトコル作成研修セミナーを開催しました。

今年は33名の参加のもとに、7月14日から9月1日にわたる6日間、①ランダム化臨床試験、②コホート研究、③ケース・コントロール研究、④ネステッド・ケース・コントロール研究/ケース・クロスオーバー研究、⑤プロペンシティースコアを用いた研究、⑥統計解析ソフトについて解説がなされるとともに、各研究デザインにつき受講者が作成したプロトコルの個人発表とそれに対する意見交換が活発な雰囲気の中で行われ、またそれぞれに対して浦島先生の講評がありました。
アンケート結果からは、猛暑続きとタイトなスケジュールのなか、かなりハードではあったが、受講して良かったとの感想が数多く寄せられ、受講者の今後の活躍が期待されます。

*育薬アカデミー*
 製薬企業は、医薬品を開発から市販後に至るライフサイクルを通して、一貫性をもって育てるという考えに立つべきであり、それにはPMSに重点を置き、そのための人材の育成と組織の拡充を図る必要があるとしている。こうした情勢を背景に、育薬アカデミーは、RCJの会員製薬企業を対象に、薬剤疫学の考えを取り入れたPMSが計画立案、実施ができるよう多方面から支援することを目的とする。

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薬剤疫学勉強会を開催

 医療施設勤務薬剤師を対象とする薬剤疫学勉強会を、香川県病院薬剤師会(安西英明会長:高松赤十字病院薬剤部長)との共催で2007年8月31日(金)に香川県薬学会館5F研修室において、21名の参加のもとに開催しました。

勉強会では、「あなたもできる薬剤疫学研究」と題して、徳島文理大学香川薬学部准教授・飯原なおみ先生からご自分が実施した薬剤疫学研究の事例(肝疾患患者にレボチロキシンを投与した場合の低血糖発生リスクの検討)が紹介された後、真山武志氏(元くすりの適正使用協議会薬剤疫学部会長)から下記2論文の要点について解説するとともに質疑応答がありました。
①コホート研究の事例 三溝和男ら:利尿薬による高尿酸血症の発生に関する薬物疫学的検討 薬剤学 49(4), 277-283, 1989
②ケース・コントロール研究の事例 浅木 茂ら:上部消化管出血性潰瘍性病変の発生要因に関するケースコントロール研究 -非ステロイド性抗炎症剤との関連について- 医学と薬学 26(4), 865-874, 1991
今回の勉強会は2007.2.2(金)に実施した勉強会(医薬品の安全性監視と薬剤疫学を解説)のフォロー研修として実施されたものであり、勉強会に参加された方々は、遅い時間にもかかわらず熱心に聴講している姿が印象的でした。