大鵬薬品
西氏 |
同意について伺いたい。
ご存知のように今現在、使用成績調査の方では、同意は取らなくて動いているが、基本的にはこういった研究でも同意は必要という立場か? |
| 回答:古閑 |
今動いている使用成績調査は、純粋に再審査のために使われているので、原則として同意は必要ではないと思う。ただ、やはり日常診療+αで患者さんに何か侵襲を加えている場合は、どういった形にするかは別として、本当は同意というのは必要ではないか。
本日、久保田先生が出席されておられるのでよろしければコメントをお願いしたい。 |
コメント:東大大学院
久保田助教授 |
とても難しい問題だと思う。「疫学研究に関する倫理指針」というのが出ているが、実は疫学研究の倫理指針の方が個人情報保護法よりも厳しいところがむしろある。
個人情報保護法は、それに対して医師会などから医療機関における個人情報保護などの通達が出ているが、問題がないようなものまで基本的に同意を取らないといけないというようなことが実は書かれている。疫学研究を、特にその地域コホートならいいのかもしれないが、病院でやろうとすると、非常に問題となってくることが多い。
それからもう一点、医療機関の内部でやはり倫理審査が段々必要になってきている。多分使用成績調査などで。しかし、現時点では、過剰な反応と思えるような倫理審査が行われているところがあると思う。すべてが妥当でないとは言わないが、企業の方で不必要だと言っても、医療機関の方で必要であると、それでかなり厳しい倫理審査が行われるということは十分に想定されると思う。だから今の段階では、何が正解であるかは非常に混沌としている。
また医療機関によっても必ずしも対応が一定していない。実は薬剤疫学会の中で実施した一つの調査があるが、その中でも医療機関によって全く違う対応が取られていて、倫理審査を全くしなくていいところと、非常に厳しい倫理審査が行われたところ、患者さんに対してなんらかの広告を出してやりなさいと言われたところ、非常にばらつきがあったのが現状である。
あまり答えになっていないかと思うが、倫理審査について基本的には同意を取るのが一番良いと・・・、これが原則だが、では取らなくてはいいのはどういう場合かということだ思うが、それについては、特に薬剤疫学研究をめぐる状況というのは非常に厳しいものが今ある、また落ち着いていないという状況である。
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薬剤疫学会 楠理事長からのご意見 |
薬剤疫学会
楠理事長 |
現在ではランダム化比較試験、RCTとよく言われ、一般によく理解され、使われていることだと思う。昔は例えば、ダブルブラインドスタディとは何だとか、クロスオーバーがダブルブラインドだと思っていた時代があった。
本日紹介のあった、このガイドラインは、海老原先生や真山先生から話があったとおり、薬剤疫学にのっとってやるということだが、薬剤疫学とはまだまだわが国では普及していない。
薬剤疫学については、「薬剤疫学会」を私どもはやっているが、「くすりの適正使用協議会」は、「薬剤疫学会」ができる以前からあったわけで、17年間その普及に努力してこられたということで、このガイドラインは企業の安全性研究のやり方、あり方という観点から日本で初めて作られたという点の意義は大きい。そのことについて敬意を表したいと思う。
しかしながら、これでいいのかということである。是非とも、この検討はこれで終わったというのではなく、むしろ出発点で初めてこういうものを作ったんだという、是非これから第2版、第3版とさらに良いものにしていただくように、希望を述べさせていただきたい。
ガイドラインということの意味だが、日本語で言うと指針というのかもしれないが、今でもできていること、あるいはできそうなことを書くというガイドラインと、今できそうもないけど、ひょっとすると難しいかもしれないけども、こうしなければいけないと書くのと両方あると思う。私はどっちかと言うと、後者の方で理解している。
だが、読ませていただいた範囲では、もう少し先のことを考えていただきたいなと、そういうふうにも思っている。それが不可能ではないと考える。
くすりの適正使用協議会の海外情報研究会では、色々と欧米の薬剤疫学研究の実状を文献的に調べて実績を積んでおられるが、欧米でできて日本でできない筈はないという類のものなので、その辺りまでは考えに入れておいていただきたいと思う次第である。
ご出席の皆様方には、製薬企業の方々だと思うが、ぜひ薬剤疫学会にもご協力いただきたい。これだけの方々がみんな会員になっていただけたらすごい。皆様の企業が実施される市販後の研究の成果は、できたら薬剤疫学会誌に投稿していただい大変喜ばしい。
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東日本関東病院薬剤部
折井部長 |
病院というよりも、病院薬剤師会の方で学術委員会の中で薬剤疫学の委員会を作って、いろいろ検討はしているが、やはり今、病院の立場でいうと一番ネックになっているのは、個人情報保護という問題が出てくる。それで病院の中で発生するデータをどういう形で出したら良いのかどうなのか、というようなことが一番問題となっているが、私個人としては、個人情報保護法が出たからどうのこうのということではなく、むしろああいうものが出たのでもっと楽観的に考えた方がいいではないか。むしろ「しめた」という風にとらえた方がいいのではないかと考えている。うまくデータを利用していった方がいいのかなと考えている。
だから薬でいえば、この薬を使うことによって副作用より効果の方がメリットがあるよという考え方で、いろいろ発生するデータをとらえていった方がいいのかなと。
ですから、病院に来た患者さんは、病院で発生する個人の情報などについては使うということを同意を得ているというような形になるので、最終的にもし何かあればそこで署名をとるなどということで、しっかりと抑えておけば色々とこういう市販後に関するデータも拾えるのではないか? 病院薬剤師会でも、データをもっと積極的に活用しようと、むしろ楽観的なとらえ方をして、今までできていないことがいけないだけであって、当たり前のことは当たり前のことでしっかりとらえていこうと考えている。
今年も色々データを取ろうと考えているが、個人情報が出たからデータが取りにくくなったというようなことはない、むしろ市販後のデータをきっちりととっていった方がいいだろうと考えている。
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司会進行の真山部会長のまとめ |
| 真山部会長 |
このガイドラインは、楠先生のお話があったが、企業の方々が現実の場面で、薬剤疫学的な指向をした時に、これに基づいてやれば現実論として、まあサイエンスとして成り立つだろうということを狙って、ガイドラインの作成にかかったわけである。
ただ、諸先生方のご意見があったように、時代も変わってきているし、古閑さんから話があったように海外の状況もかなり変革が激しい状況、むしろ厳しいという言い方をした方がいいかもしれない状況にあるので、現実だけ考えていいのかという話もある。
今後、くすりの適正使用協議会の海外情報研究会で、今日出席いただいた方々を含む先生方からのご意見を頂戴して、より良いものに育てたいという考えでいる。
今日、明日の時点で、このガイドラインに基づいて、薬剤疫学を指向したときに、まずこれでいいのではというところをまとめたというところである。
その辺りをご理解いただけたと思うので、ホームページに公開されているので、ご意見を頂戴できればありがたい。今日は、くすりの適正使用協議会の会員社外が多いように思うので、そういう意味では、私共の目的に合っているわけで、会員社でないからアクセスできないということは全くないので、ぜひ遠慮なく忌憚ないご意見をいただきたい。 |