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国際薬剤疫学会(ICPE)情報

第22回 国際薬剤疫学会 Report 
(06/08/24-27)
小管 美樹仁 (日本イーライリリー株式会社)/ 北村 重人  (くすりの適正使用協議会)


International Conference on Pharmacoepidemiology(ICPE)は、2006年8月24日から27日の4日間、ポルトガルの首都リスボンにある国際会議センターで開催された。8月24日は希望者に対する教育セッション、ポスターを含む一般演題は25〜27日に発表された。

 参加者は約800名であり、事前登録者名簿によると日本人参加者は25名であった。日本からの演題は口頭でのセッションで1題、ポスターセッションで8題であった。

 今回の全体トピックは「Pharmacoepidemiology for Public Health」であり、薬剤疫学が公衆衛生に対して貢献するために企業及び規制当局が求める/求められる姿をテーマにしたセッションで、それを可能とするための種々の方法論が議論された。今後市販後研究を検討していくにあたり、参考となる事例が数多く発表された。 

 欧米の規制当局担当官も講演を行い、薬剤疫学/シグナル検出の促進に対して企業への規制面からのサポートを実施していく姿勢を示された。残念ながら今回は日本の当局からの参加者が無かったが、今後は積極的な参画を望みたい。

   
1. 学会プログラムの概要
 4日間の学会プログラムは次の通り進行された。それぞれ参加したセッション及び入手可能であった資料の中から主なものについてその内容を示す。
※内容の詳細をご覧になりたい方は、@〜Dをクリックしてください。
@ 8/24
   ◆Pre-Conference Educational Session
A 8/25
   ◆一般口演:「Risk Assessment」、「Risk Management」、「Pharmacovigilance」
B 8/26
   ◆Plenary Session:「Balancing Patient Safety and Pharmaceutical Innovation」
   ◆授賞特別講演:Dr Brian Strom
   ◆一般口演:「Methods」、「Propensity Scores」
C 8/27
   ◆シンポジウム:「Large Simple Trials To Evaluate Medicines」
   ◆ワークショップ:「COX-2 and Cardiovascular Events」
   ◆招待講演:「Managing Drug Risks in Public Health」
   ◆Hot Topics Session
D ポスターセッション
 
 会議に先立ち、8月23には教育セッション「Introduction to Pharmacoepidemiology」が行われた。薬剤疫学の初心者である受講者がセッション終了時には、1)自発報告データの長所と短所、2)自発報告からの「シグナル」の取り扱い方と、この「シグナル」を薬剤疫学で扱う上での方法論の概略、3)基本となるコホート、ケースコントロール、ネステッドケースコントロールの概略、4)薬剤疫学における医師の処置(患者の重症度)に由来する交絡の影響、これらをしっかり理解して、翌日から始まるICPEでの発表や議論を、より良く理解させるのがこの教育の目的であった(終了後、講演者の講演内容についてアンケートが行われ、講演者の評価等が調査されているようであった)。
 
2. ICPEの全体的な印象
 今回ICPEに初めて参加させていただいた。日本での薬剤疫学の現状との対比で考えると、参考にすべき事がいろいろあった。参加者総数約800名のICPEは決して規模の大きい国際会議では無かったが、ポスター発表・口頭発表・Workshopでの演題数が649題で、Symposiumでの講演者などを加えると、単純計算でも参加者の90%近くが何らかの形で直接会議に関与している事になる。元来薬剤疫学とはそれ自体が限られた領域で、しかも比較的新しい学問分野である。それゆえ、世界的にみても薬剤疫学に関わる仕事をしている人数は極めて少なく、学会の最重要課題は、絶えず人材を育成しながら、学問としてのレベルアップを常に目指す事にあるように思われた。従って、ICPEの年会が学生や初心者の教育の場であり、学会員・学会Fellowのインセンティブを高める場であり、更にアカデミックな方法論やglobalな規制についての方向性をも検討する場でもあるのだろう。日本薬剤疫学会も見習うべき点も多く、この様な方向にぜひ発展してもらいたいものである。アカデミア、企業(製薬、CROなど)、各国の当局(欧米以外も含め)も巻き込んだ、盛り沢山な内容であった(日本の当局からの参加が全く無かった事は、繰り返しになるが誠に残念である)。
 
3. 謝辞
 今回のICPEへの参加は、今後の市販後研究を検討するための学術的知識の向上に大変貴重な機会でありました。このような機会を与えていただきました「くすりの適正使用協議会」海老原理事長、薬剤疫学部会 真山部会長にお礼と感謝を申し上げます。

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