科学の発展に伴い、薬物療法に関しては強力な新薬の出現や迅速審査の恩恵に与るところが多くなりました。一方で市販後医薬品の安全性監視については、これまでの自発報告や症例集積といった受動的なサーベイランスのみならず、特に重大な安全性に係わる様々なリスクについては、市販後に積極的なサーベイランスである薬剤疫学研究の必要性が指摘されてきています。しかしながら市販後の安全性に関する薬剤疫学研究は、観察研究が主体であることから、使用したデータの質、研究デザインの適切性、実施プロセスを含めた結果の解釈についてはしばしば科学的な議論が生じます。そこで、日本の環境下で製薬企業が実施あるいは出資する場合の、市販後安全性観察研究のガイドライン作成を試みました。
2005年に日本の現状を踏まえた実務的な『市販後安全性研究に関するガイドライン』を刊行し、日本薬剤疫学会の学会誌にて公表致しました。今回、初版のガイドラインに対し頂いたご意見及び、その後のICH E2Eや欧米での動向も考慮して、改訂第二版を刊行致しました。改訂版には、新たにSafety Specification(安全性検討課題)の項目を加え、また研究デザインではネステッド・ケース・コントロール研究の記載を充実し、及びケース・コホート研究を新たに追加致しました。
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